第161章 同室で過ごす(10)

杉本瑠璃は少し驚き、運転中の三島悠羽を見つめた。今の三島悠羽はよだれが出るほどかっこいいが、今は彼女にそれを鑑賞する時間はなかった。

「まさかこのスピードで三連続カーブを突っ走って、彼らを振り切るつもりじゃないでしょうね?」

杉本瑠璃は自分のこの考えがあまりにも衝撃的だと感じたが、三島悠羽は真剣な表情でうなずき、少しの不安も見せずに言った。「その通りだ。あそこの地形は我々に有利だ。彼らの運転手がプロのレーサーでもない限り、減速しなければ事故は避けられない!」

杉本瑠璃は一瞬黙り込んでから、目を上げて三島悠羽を見た。「じゃあ...あなたはプロなの?」

三島悠羽の唇が少し上がり、瞳は輝き、目は燃えるように光っていた。その瞬間、杉本瑠璃は三島悠羽が本性を見せたように感じた。傲慢で妖艶な!

もし彼女がこのことを他人に話したら、きっと皆は彼女が狂ったと思うだろう。

しかし今この瞬間、彼女は確かに三島悠羽からそれらを感じ取った。自分を絶対的に信じる傲慢さと、口元に浮かぶ曲線、そして目に宿る自信さえも、まるで妖艶なベールに包まれているかのようだった。

「プロなんて、私の足元にも及ばない」

一言で、シンプルかつ直接的に、プロのレーサーたちを完全に否定した!

杉本瑠璃は三島悠羽を見つめながら瞬きをした。少し疑わしく思ったが、三島悠羽は大げさなことを言うような人ではないので、嘘をついているはずがない。杉本瑠璃が驚いたのは、それまで三島悠羽は運転できないと思っていたことだ。結局のところ、彼の足は多くの人から見れば障害者だったのだから。

障害者がどうしてレーサーより速く運転できるというのだろう?

まあいい!

杉本瑠璃は、三島悠羽が何層もの覆いを被った宝物のようだと感じた。一層一層めくってみないと、最も内側にあるものが何なのか分からないのだ。

「しっかりつかまって!」

三島悠羽が全員に注意を促すと、杉本瑠璃は振り向いて、目の前にあの有名な三連続カーブが迫っているのを見た!

上空から見れば、この三連続カーブは完璧なS字型のように見える。道は非常に狭く、とても危険だ。

しかし三島悠羽は減速する気配すらなく、むしろ加速していた。杉本瑠璃はただ車が一気に三連続カーブに突っ込んでいくのを見つめるしかなかった。