息ができないような窒息感で、彼女の体は強い拒絶反応を示し、水圧で全身が押しつぶされるような感覚に陥り、呼吸ができず、パニックに陥った。
そのとき、三島悠羽は杉本瑠璃をしっかりと抱きしめていた。それは杉本瑠璃に少し安心感を与えた。彼女は泳げないので、水に落ちれば確実に沈んでしまうはずだった。しかし三島悠羽は泳げるようで、彼がいれば直接底に沈むことは心配しなくて済んだ。
上から飛び降りた時の勢いは強く、爆発による気圧も加わり、彼らが水に落ちた時はまるで叩きつけられたかのようだった。
水泳を習ったことがなく、一時的なパニック状態で、十分な呼吸ができず、息を止める余裕もなく、次の瞬間にも窒息しそうな感覚だった。
杉本瑠璃は必死に水中で三島悠羽に手振りで合図を送り、上に連れて行ってほしいと伝えた。しかし三島悠羽は首を振った。傭兵たちは彼らが川に飛び込むのを見ていないかもしれないが、彼らの素質からして、必ず周囲を観察するはずだった。
今は下流に向かっており、水流も速くない。彼らが川底にいれば、すぐに流されていくだろう。ただ川の中で少しの間息を止めていればいいだけだった。
杉本瑠璃は三島悠羽の意図を大体理解していたが、理解することと耐えられることは別問題だった。泳げない上に水を怖がる人間に、そんなに長く水底にいろと言われても、杉本瑠璃にはできなかった。
より安全を確保するため、杉本瑠璃は非常に苦しい思いをしながら耐えていた。肺が破裂しそうな感覚の中、もう窒息しそうだと思った瞬間、唇に温かい感触が伝わってきた。後頭部を三島悠羽に支えられ、彼が息を送り込んでくれた。瞬時に体が楽になった。この時の彼女は、恥ずかしさや顔を赤らめることも気にせず、ただ水流が早くなって、早く岸に上がれることを願うばかりだった。
三島悠羽からの一息で、杉本瑠璃はだいぶ楽になった。三島悠羽は威厳を持って彼女を抱き続け、水流に乗って、川底を下流に向かって泳いでいった。
しかし、ここは川底とはいえ、山に近いため、所々に大きな岩があった。杉本瑠璃と三島悠羽は十分注意していたが、それでも二つの大きな岩に衝突してしまった。杉本瑠璃は痛みを覚悟していたが、予想された痛みは来ず、代わりに三島悠羽の闇うめき声が聞こえた!