意識を失った三島悠羽は、体が沈み始め、急速に水中へと沈んでいった。杉本瑠璃は咄嗟に三島悠羽を掴んだが、彼女の体も一緒に沈んでいき、状況は極めて危機的だった!
どうすれば?
だめだ!
ここで死ぬわけにはいかない。三島悠羽を死なせるわけにもいかない!
杉本瑠璃の頭の中はそれだけで一杯で、恐怖を感じる余裕すらなかった。
必死に、片手で三島悠羽を掴みながら、もう片方の手で懸命に水をかき、足も休める暇なく水を蹴り続けた。生存本能が全てを支配していた!
それが彼女の生存意志が強すぎたためなのか、それとも彼女の理解力が本当に驚異的だったのか、先ほどの三島悠羽の泳ぎ方を真似て、杉本瑠璃は驚くべきことに自分が沈まなくなり、泳げるようになっていることに気付いた。
この発見に有頂天になり、三島悠羽を引きながら岸の方へ泳ぎ始めた。泳ぐほどに上手くなり、杉本瑠璃は心の中で驚いていた。