意識を失った三島悠羽は、体が沈み始め、急速に水中へと沈んでいった。杉本瑠璃は咄嗟に三島悠羽を掴んだが、彼女の体も一緒に沈んでいき、状況は極めて危機的だった!
どうすれば?
だめだ!
ここで死ぬわけにはいかない。三島悠羽を死なせるわけにもいかない!
杉本瑠璃の頭の中はそれだけで一杯で、恐怖を感じる余裕すらなかった。
必死に、片手で三島悠羽を掴みながら、もう片方の手で懸命に水をかき、足も休める暇なく水を蹴り続けた。生存本能が全てを支配していた!
それが彼女の生存意志が強すぎたためなのか、それとも彼女の理解力が本当に驚異的だったのか、先ほどの三島悠羽の泳ぎ方を真似て、杉本瑠璃は驚くべきことに自分が沈まなくなり、泳げるようになっていることに気付いた。
この発見に有頂天になり、三島悠羽を引きながら岸の方へ泳ぎ始めた。泳ぐほどに上手くなり、杉本瑠璃は心の中で驚いていた。
彼女は確実に泳げない人間だった。たとえ人は逆境の時に潜在能力を発揮するとしても、三島悠羽を引きながらこんなに上手く泳げるはずがない。なぜこんな驚くべきことが起こっているのか?
彼女の泳ぎは非常に上手く、三島悠羽を一緒に引いていても少しも束縛される感じがなく、まるで生まれながらに泳げたかのようだった。
心の中の衝撃を抑えながら、杉本瑠璃は三島悠羽を連れて、ようやく比較的緩やかな場所を見つけ、片手で周りの生い茂った野草を掴んで体を安定させ、全身の力を振り絞って、ついに三島悠羽を岸に引き上げた。
杉本瑠璃が自分で岸に這い上がった時には、すっかり力尽きていて、そのまま横たわって大きく息を吸い込んだ。
息を整えると、すぐに三島悠羽の状態を確認しに行った。三島悠羽は完全に気を失っており、水の中では彼の怪我の状態を確認できなかったが、今岸に上がったので、彼の状態を確認しなければならなかった。
まず片手で三島悠羽の左手に触れ、次に右手に触れると、杉本瑠璃の眉間の皺は深くなっていった。
三島悠羽の状態は非常に悪く、内臓が損傷しているだけでなく、足の状態も悪化していた。しかし、この状況を見ると、昨夜から彼の足に問題が出ていたようだ。今朝、三島悠羽が彼女に朝食を持ってきた時に歩いてこず、車椅子に座っていたのも無理はない。
川の水も冷たく、三島悠羽の肺にも問題が出始め、さらに熱も出始めていた。