杉本瑠璃は一瞬固まり、そして無意識に手を車の座席の下に伸ばすと、確かに、硬いものに触れた。
本当に拳銃?
杉本瑠璃は心の中で衝撃を受けた。彼女はテレビでしか拳銃を見たことがなく、現実の生活では、このようなハイテク機器を見たことがなかった。
ただし……
三島悠羽の車に、なぜ銃があるのだろう?
深く考える余裕はなく、杉本瑠璃はその硬い拳銃を座席の下から取り出した。見下ろすと、確かに非常に精巧な作りの拳銃で、全体が漆黒に輝き、手に持つと重みがあった。
杉本瑠璃は三島悠羽の意図を大体理解した。拳銃を使って彼らと戦えということだ。朝日執事は手と肩を負傷し、田中さんは今は出血は止まったものの、半昏睡状態だった。
三島悠羽は運転中で、彼女が最適任だった。
しかし杉本瑠璃は拳銃をしばらく見つめた後、少し困ったように三島悠羽を見て言った。「これ、どうやって使うの?」