第181章 杉本瑠璃の反撃(10)

杉本瑠璃は放課後も新しいルームメイトに会えなかったが、学校を出る時に安藤颯という奴を見かけた。

この数日間は山本竜也を少し懲らしめただけで、安藤颯の処理まで手が回らなかったが、まさかこいつがまだこんなにも気楽に学校で女遊びをしているとは。

ただ、彼の隣にいた女の子は後ろ姿から見ると雰囲気がよさそうだった。また誰かのお嬢様に目をつけたのだろう。これは安藤颯がいつもやることだった。

石川静香が紅葉学園に来ているのに、まだこんなに堂々と女遊びができるなんて。

クズ男の安藤颯を無視して、杉本瑠璃は三島悠羽の車で先に翡翠店に向かった。今や全ての準備が整い、開店日も決まった。あとは当日展示販売する翡翠を決めるだけだった。

杉本瑠璃が店に着いた時、父と日向あきらたちがいて、ちょうどこの問題について考えていたところだった。思いがけず杉本瑠璃が来たのだ。

杉本律人は杉本瑠璃の父親だが、瑠璃が紅葉学園に入って寮生活を始めてからは、毎日会うことはできなくなった。今回娘に会って、杉本律人は少し感慨深く、娘が大きくなったと感じていた。

「蒼、ちょうどいいところに来たね。私と日向あきらで開店のことを相談していたところだ。お前も意見を出してくれないか。」杉本律人は今では全ての重点を翡翠店に置いていた。一度失敗した経験があるため、今回は特に慎重になっていた。

「お父さん、この翡翠店は将来お父さんのものなんだから、好きなようにすればいいのよ。私の意見なんて聞かなくても。でも、いいアイデアならいくつか出せるわ。開店当日に招待する人たちのことは、日向さん、全部連絡済みですよね?」

杉本瑠璃はすでに考えがあった。この翡翠店は彼女が主に経営しようと考えているものではなく、ただこの業界なら手っ取り早く始められ、資金を蓄積しやすいと考えたからだ。それに、この翡翠店で父親の心の支えになってほしいとも思っていた。

「ええ、全員に連絡済みです。当日は必ず時間通りに来てくれるはずです!」日向あきらは仕事を常に確実にこなす人で、これらは杉本瑠璃が早くから指示していたことなので、当然おろそかにはしなかった。

杉本瑠璃はうなずき、杉本律人は考えながら言った。「準備はほぼ整ったけど、この翡翠店のポジショニングと開店日の目玉商品については、まだ決めかねているんだ。そうそう、店名も!」