第182章 杉本瑠璃の反撃(11)

「あなたが高橋友美さん?」杉本律人は高橋友美をしばらく見つめたが、彼女だと分からず、少し気まずそうに言った。「本当に一瞬で分からなかったよ。」

高橋友美は全く気にする様子もなく、数十歳の年齢なのに甘ったるい声で言った。「杉本さん、相変わらずジョークが上手いわね。昔より綺麗になったって直接褒めないで、遠回しに言うなんて、昔と同じね!」

こんな高橋友美は見たことがなかった。人の妻子の前で、あんな年齢なのに、まだ媚びを売って色目を使うなんて。

杉本律人はさらに気まずくなった。高橋友美がこんな年になっても、昔と同じように分別がないとは思わなかった。以前、高橋友美のことで、妻の田中美奈とよく揉めたのに、まさか今日彼女に会うとは。

とにかく、杉本お母様の表情は極めて不快そうで、杉本瑠璃は母がこんな表情をしたのを見たことがなかった。

「まあ、杉本さん、この子があなたの娘さん?あなたにそっくりじゃないわね、本当にあなたの娘さんだとは思えないわ。」

高橋友美は場の雰囲気が冷えているのを感じ、勝手に口を開いたが、その言葉は心地よくなかった。杉本お母様の前で、杉本瑠璃が杉本律人に似ていないと言うのは、他人が言えば何でもないが、高橋友美が言うと、何か含みがあるように聞こえた。

杉本お母様は激怒した。自分の産んだ娘が杉本律人に似ていないとはどういうことか、これは杉本律人に浮気されたと暗に言っているのではないか!

しかし、杉本お母様は元々おとなしい性格で、腹が立って仕方がないのに、体面を保つため、高橋友美と口論することはできなかった。

杉本瑠璃はそんなことは気にしなかった。やっと手に入れた両親を、人に非難されるために持っているわけではない。