第183章 杉本瑠璃の反撃（12）

何事もなかったかのように装って、杉本瑠璃は背筋を伸ばし、数人の傭兵たちを注意深く観察した。三島悠羽の方は見られなかった。

三島悠羽の言葉があまりにも挑発的で、以前三島悠羽に会った時は、ただその絶世の容姿に魅了されただけだったが、最近はなぜか、三島悠羽と目が合うたびに、心臓が驚くほど早く鼓動する。

三島悠羽がさらに意味深な言葉を言えば、自分をコントロールできなくなりそうだった。

「あなたたちが私たちを追い詰めていた傭兵？」杉本瑠璃は彼らを注意深く観察しながら、三島悠羽が彼らをここに連れてきた意図を考えていた。

彼らは声を出さなかった。杉本瑠璃の言葉が理解できなかったのか、それとも答えたくなかったのかは不明だった。

すぐに、軟鞭を持った妖艶な男が血に飢えたような笑みを浮かべて言った。「おや、この二日間の教育は無駄だったようだな。もう少し鍛え直す必要があるかな？」

話したのは三島悠羽の部下で、コードネームはヤマネコ。拷問の専門家だった。案の定、ヤマネコの言葉が終わるや否や、傭兵たちの目に恐怖の色が浮かび、リーダーは片言の中国語で慌てて答えた。「ごめんなさい、私たちが傭兵です。」

元々威圧的に見えた傭兵たちだったが、この片言の中国語を聞いた途端、違和感が生まれ、むしろ笑いを誘うような状況になった。

その言葉を聞いたとたん、リーダーの傭兵はヤマネコの軟鞭で打たれた。「主人に向かってそんな話し方があるか、躾はどうした、お前らの躾は！」

プッ！

場違いでなければ、杉本瑠璃は吹き出していただろう。人殺しも平気な傭兵たちに躾を求めるなんて、ヤマネコは...かなり独特だ。

しかし杉本瑠璃はヤマネコの言葉を見逃さなかった。いつの間に自分がこれらの傭兵の主人になったのだろう。

「ご主人様、申し訳ありません。二度とこのようなことはいたしません！」

リーダーの傭兵は恐ろしい顔をしていたが、それは反抗的な気持ちからではなく、鞭打たれた痛みによるものだった。

ヤマネコはようやく満足げに軟鞭を収めながら、杉本瑠璃を見つめ、自分の爪をなめながら考えていた。

【この娘に何が特別なのか見当もつかないが、ボスがこれほど気にかけ、わざわざ私に傭兵たちを調教させて彼女に与えるなんて。葵までが大騒ぎして彼女を怒らせるなと注意してきたが、ふん、大したことないように見えるが。】