第185章 杉本瑠璃の反撃(14)

リーダーは果たして目を輝かせ、すぐに言った。「当然、私たちより強い実力がなければ、信服できませんよ!私たちを打ち負かせるかどうか、どうです、やる勇気はありますか?」

この言葉は挑発的で、自尊心に満ちており、今の自分が囚人と変わらない立場であることを完全に忘れていた。

ヤマネコがここ数日で彼らに地獄を味わわせたとはいえ、目の前に自由を取り戻すチャンスがあるなら、彼らは喜んでリスクを冒そうとした。

彼らも馬鹿ではなく、わざと杉本瑠璃を怒らせようと考えていた。若い彼女なら、感情的になって勝負を受けるかもしれない。そうすれば勝利できるだろう。

杉本瑠璃が自分の非力さを認めて、彼らを従わせる考えを諦めれば、あのヤマネコも彼らに何もしないだろう。

願いは、いつもそんなに美しい。

残念ながら、彼らが相手にしているのは普通の少女ではなく、彼女、杉本瑠璃だった!

リーダーは自分が策を弄したつもりだったが、実際には杉本瑠璃の術中にはまっていたのだ。

杉本瑠璃は分かっていた。これらの者たちを従わせるには、ヤマネコや三島悠羽の威圧だけでは足りない。彼らの威圧は、傭兵たちを不本意ながら従わせるだけで、それは杉本瑠璃の望むところではなかった。

「どんな勝負がしたい?」

リーダーはこれを聞くと、杉本瑠璃が同意したことに乗じて、すぐに拳を振り上げ、力強く言った。「拳で勝負だ!どうだ、できるか?」

少女相手なら、武器など必要ない。適当に一発殴れば、杉本瑠璃は持ちこたえられないだろうと確信していた。

「いいわ。あなたが勝てば、仲間と一緒に出て行っていい。負けたら……」杉本瑠璃はわざと言葉を切った。

「その時は一生お前の言うことを聞く、後悔はしない!」リーダーにとって、負けるはずがないと思っていた。

杉本瑠璃は唇の端を少し上げ、神秘的な笑みを浮かべた。「いいわ」

傭兵たちはこれを聞いて、すぐに喜んだ。自由の日が近いと感じ、目の前の杉本瑠璃のことは、蟻のように思っていた。

「さあ、お嬢ちゃん、泣きながらママを呼ばないでくれよ!」これは英語で言われたが、杉本瑠璃の英語力は十分で、ほぼ理解できた。

朝日執事は直接彼らを裏庭へ案内した。そこは杉本瑠璃と三島悠羽が会った場所で、広々としており、格闘に適していた。