第195章 お前は私に体を洗わせたいのか(9)

このような人々について、杉本瑠璃は以前にも見たことがあった。師匠の吉川先生が隠居してからは、このような状況によく遭遇していた。

以前にもこのような人々を見てきたからこそ、杉本瑠璃はそれほど心配していなかった。

「すでに申し上げた通り、師匠は隠居して診察はしていません。ここで待っていても結果は同じです。田中叔父さん、彼らが待ちたいなら待たせておけばいいです。あなたは自分の仕事に戻ってください。」

薬草堂も商売なのだから、この数人のために秩序を乱すわけにはいかない。

「はい、杉本先生!」店員の田中さんは素直に従った。薬草堂は今や杉本瑠璃のものだから、当然彼女の言うことを聞かなければならない。

「あなた!伊藤家の者にそんな態度をとるなんて、本当に死にたいのね!分をわきまえなさい!」少女は怒りを爆発させた。

杉本瑠璃は気づいた。若い女の子たちと出会うと、どうも短気な者が多いようだ。本当に自分が優しそうで、いじめやすく見えるのだろうか!

「どこの家の方であろうと関係ありません。薬草堂には独自のルールがあります。診察を受けに来たのなら、当堂のルールに従ってください。そうでないなら、出口はあちらです。どうぞお帰りください。」

杉本瑠璃も気の強い人間で、理由もなく他人に譲歩するつもりはなかった。

しかも状況はすでに説明したのに、これらの人々がまだこれほど横暴なのだから、杉本瑠璃が機嫌を取る必要などなかった。

そして杉本瑠璃は田中さんに直接指示を出した。「この方々にお茶を用意してください。ここにいたいのなら、そうさせましょう。」

これらの指示を出した後、杉本瑠璃は裏庭に行って師匠に会い、三島悠羽の体調をどのように治療すべきか相談するつもりだった。

おそらく師匠も三島悠羽が独自の痛み抑制法を持っていることを知らないだろう。そして彼女は鍼灸術と三島悠羽の方法を組み合わせると、効果が良さそうだということにも気づいていた。

以前はこの方法を考えなかったのは、鍼灸術が精神的に消耗が激しいからだった。しかし昨日の状況と今朝の体調から見て、彼女は完全に鍼灸術がもたらす悪影響に耐えられることがわかった。

一晩気を失っただけで、その後の数日には影響がなかった。

もしこの方法が本当に効果があるなら、今後は毎日三島悠羽に鍼灸術を施すことができる。