「鍼灸術も吉川先生から学んだの?」三島悠羽はすぐに自然と杉本瑠璃と会話を始めた。
杉本瑠璃は楽な姿勢に調整してから、「うん、本来なら師匠は教えるつもりはなかったんだけど、思いがけず役に立つことになったわ」と答えた。
「吉川先生に無理やり教えてもらったんじゃないの?」三島悠羽の笑みは控えめだが、とても魅力的だった。
杉本瑠璃は軽く咳払いをして、三島悠羽の洞察力の鋭さに感心せざるを得なかった。一発で見抜かれてしまったのだ。
「師匠に弟子入りした以上、師匠の技をすべて習得するのは当然でしょう。そうでなければ、どうやって師を超えられるというの?」杉本瑠璃の考えは常に率直で、損な取引は好まなかった。
どうせ弟子入りしたのだから、師匠の技をすべて吸収してしまおうと思った。
三島悠羽は杉本瑠璃の性格をよく知っていたので、ただ笑って「ふふ、吉川先生があなたを弟子にしたのは、喜ぶべきか悩むべきか分からないね」と言った。