杉本瑠璃は微笑んで、何も言わなかったが、三島悠羽が来ると言ったからには、必ず来るはずだった。
三島悠羽の約束については、杉本瑠璃は信頼していた。彼は頼りになる人だった。
ただし、三島悠羽はこんなに早くは来ないだろう。彼は人が多い場所に長居するのが好きではないから、おそらく正式なオープン時間になる頃に来るだろう。
「ああ、蒼や、あの若者を責めないでくれ。あいつは少し変わった性格なだけさ。まあ、来ようが来まいが、私がいれば十分だ!」
源様も三島悠羽の性格をよく知っていた。彼はただそう言っただけで、心の中では三島悠羽が来るとは全く思っていなかった。
「源様、お金は十分にお持ちですか?今日はいい物がたくさんありますよ。」
杉本瑠璃は源様も翡翠が大好きだということを知っていた。今日解く原石の中には、良い物がたくさんあった。
ただ、最後に源様の手に入るかどうかは分からない。
結局のところ...今日来る人々は皆大物だ。もし本当に気に入った物があれば、激しい競り合いになるかもしれない。
翡翠の話を聞いて、源様は急に元気になり、目が輝いた。「本当か?早く教えてくれ、蒼よ、どんな良い物があるんだ?」
最近また翡翠にはまっていた彼は、実は今回の来訪は杉本瑠璃の宝石店のオープンを祝うためだけではなく、より重要なのは、最近帝都では面白い翡翠の原石がなく、興味が湧かなかったからだ。
そこで、杉本瑠璃の宝石店がオープンすると聞いて、源様は目を輝かせた。以前、杉本瑠璃が翡翠大会で多くの良い物を手に入れたことを知っていたからだ。
いくつかの宝物は、きっと杉本瑠璃が取っておいたはずで、今回の宝石店オープンで、杉本瑠璃はきっとそれらを出すだろう。
だから、彼は宝探しに来たようなものだった。杉本瑠璃にそそのかされて、すっかり興奮してしまった。
杉本瑠璃は軽く微笑んで、すべてを見透かしていた。「焦らないでください。きっとお気に入りのものがありますよ。」
「お前は意地悪だな。私が遠路はるばる来たというのに、少しも示してくれない。せめて...へへへ、一つだけでも、一つでいいから教えてくれ。」
好奇心をそそられ、源様はうずうずしていた。
杉本瑠璃は源様の耳元で小声で何か言うと、源様は目を丸くして、「本当か?よし、よし、よし!じゃあ後で楽しみにしているぞ!」