杉本瑠璃は羽田和彦が現れるとは思ってもみなかった。外で何か音がして、人だかりができているような気配を感じたので、伊藤様か三島悠羽が来たのかと思い、急いで外に出てみたのだ。
しかし、出てみると伊藤様でも三島悠羽でもなく、羽田和彦と羽田真央だった。
羽田真央を見て、杉本瑠璃は自然と親しみを感じ、笑顔で彼女の側に寄って言った。「真央ちゃん、来てくれたのね!」
羽田真央は杉本瑠璃に大きな笑顔を返し、片手を彼女の肩に置いた。それは先ほど彼女の兄が彼女の肩に手を置いたのと全く同じ仕草だった。
「あなたは私の親友よ。親友のお店のオープンに来ないわけないでしょう!応援に来たの、歓迎してくれる?」
「応援に来てくれるなんて、願ってもないことよ!」
杉本瑠璃は彼らが来るとは思っていなかったが、この行動は彼女に一つのメッセージを伝えていた。彼女にも友人がいるということを。