「どうやら私たちの予想は間違っていたようね。このパラダイスの杉本瑠璃は、羽田和彦の噂の恋人なんかじゃないわ!羽田和彦がどんなに凄くて、人脈が広くても、一人の女性のために伊藤様を招くなんてありえないもの!何より、伊藤様は頼みにくいことで有名だし、羽田様が頼んでも動いてくれるかどうかわからないわ」
「その通り、その通り!私たちは杉本瑠璃のことを見くびっていたみたいね。でも彼女は一体何者なの?どんな力があって、伊藤様のような難しい人物まで招くことができたの?」
「これは本当に不思議ね。彼女は破産した家の娘でしょう?たとえ父親が破産していなくても、こんな人たちとの付き合いなんてあり得ないはずよ!」
「今日のパラダイスジュエリーのオープンには、きっと何か特別なものがあるに違いないわ!」
メディア関係者たちは非常に興味津々で、先ほど羽田和彦が入っていくのを見て、すぐに追いかけようとしたが、伊藤様に遮られてしまった。
今や伊藤様のような人物まで来ているのを見て、彼らはもう外で撮影する気にはなれなかった。
彼らの目には、伊藤様以上の大物はもう来ないだろうと映っていた。
そしてこの時、日向あきらと山田ひろしの二人が、パラダイスから出てきて、これらのメディア関係者を中に案内した。
パラダイスの内部はかなり広く、今日招待されたのは、これらのメディア関係者の他に、業界の関係者たちで、彼らは同伴者や同僚を連れてきていたが、一般公開していなかったため、中は混雑していなかった。
彼らが入ってきた後、自分たちが何を見逃すことになるのか、想像もできなかった。
周りの見物人たちだけが、まだそこに集まって、何か面白いことが見られないかと期待していた。
しかし群衆が予想もしなかったことに、この時、外では高級ヘリコプターがパラダイスの上空に静かに停まっていた。
パラダイスは独立した建物で、屋上には露天のプラットフォームがあり、ヘリコプターを着陸させることができた。
外の見物人たちはそれを見て、まるで映画を撮影しているかのようだと感じ、そのヘリコプターの中に誰がいるのかも分からず、ただこのパラダイスが普通の人が立ち入れる場所ではないと感じた。
今日はパラダイスのオープニングなので、杉本お母様も盛装して、杉本律人と一緒に出席した。