第214章 一躍千里(その13)加筆

「私が涙を流したのは……」杉本お母様が言い終わる前に、高橋友美に遮られた。

「もういいわよ。誰もあなたが泣いている理由なんて知りたくないわ。人の喜びの日に、ここで泣くなんて、縁起でもない。もしここの店主に見られたら、追い出されるわよ」

高橋友美は非常に嫌悪感を露わにして手を振り、杉本お母様を見下すような態度を見せた。

伊藤明里はそれを聞いて、少し困ったような表情を浮かべたが、何も言わなかった。

むしろ杉本お母様は、高橋友美の言葉を聞いて、杉本瑠璃が母親が怒り出すと思ったが、予想に反して、杉本お母様は怒るどころか、むしろ笑い出した。

「ふふ、今日は私が泣くどころか、ここで騒ぎを起こしても、誰も私を追い出すことはできないわ。なぜなら……」杉本お母様は笑いながら、誇らしげに言った。「パラダイスは杉本家のものだからよ!」