第217章 一躍千里(その16)

結局、この三色翡翠は八百六十万の価格で、目立たない男性に落札された。

その瞬間、メディア関係者たちはパラダイスの価値を再評価せざるを得なくなった。

羽田様や伊藤元老のような人物であれば理解できる。人脈があれば、大物が来店するのも当然だからだ。

しかし今、何の変哲もない男性が九百万近い値段を付けられるということに、彼らは再び衝撃を受けた!

さらに、先ほど間違いなく見聞きしたように、会場の多くの人々が競り合いに参加していた。これは何を意味するのか?

これは、彼らが知っている大物以外にも、普通の人ではない人々がいるということを示している!

一般人が何百万も何百万も簡単に翡翠を買えるわけがない!

その瞬間、彼らは理解し始めた。このパラダイスの杉本瑠璃の人脈は、トップクラスの大物だけでなく、中堅の富豪もパラダイスの顧客なのだと。