第225章 一躍千里(24)

三島悠羽は首を振って笑い、愛情のこもった目で杉本瑠璃を見つめながら言った。「何でもないよ。ただ、夜は帰って食事をするのを忘れないでねって伝えたかっただけ」

杉本瑠璃は無意識に頷いた。「うん、分かった」

三島悠羽は少し意地悪そうに微笑んで、そして立ち去った。

三島悠羽が去った後、杉本瑠璃はその場に立ったまま気づいた。おかしいな、どうして三島悠羽の言うことをそんなに素直に聞いてしまったんだろう?

彼が帰って食事をしろと言うから、帰って食事をする?

今日はパラダイスのオープン日なのに、夜は必ず祝賀会があるはずなのに、三島悠羽に騙されて夜に帰って食事すると約束してしまった。

うーん……

ダメ!

いつも三島悠羽に振り回されてばかりじゃいけない!

だから……ふふん、夜は祝賀会に行こう。最悪、帰ってからもう少し食べればいいだけだし。