第226章 一躍千里(その25)

杉本瑠璃は眉をひそめ、「どんな問題?」と尋ねた。

これまで、あずきちゃんと藤原春樹は他のメンバーと共に、密かに原西開発区の栽培地を買収してきた。以前は大きな問題もなく、せいぜい気づいた人が参入しようとする程度だった。

しかし、杉本瑠璃はその時点で対策を講じ、そういった人々が介入できないようにした。その後はスムーズに進み、他の問題は発生しなかった。

日向あきらは慎重に言葉を選びながら、「以前、私たちと競合しようとした人々に対しては、あなたの指示通り、土地を分散して購入し、彼らが買収しても開発できないようにしました。そのため、多くの人が諦めて撤退しました。しかし最近、状況が変わってきているようです。どうやら大物が介入してきたようです」と説明した。

杉本瑠璃は目を閉じたまま、日向あきらの話を聞いて、「分かった。しばらくは様子を見て、誰が介入してきたのか調査してください。パラダイスはすでに開業したので、これからは原西の方に主力を置きます。藤原春樹とあずきちゃんに注意深く見守らせて、人手が足りなければ、あなたも一時的に手伝ってください」と指示した。