第237章 私たちは結婚した!(1)

「どこに行くの?」杉本瑠璃は少し不思議に思った。早朝、まだ目覚めていない彼女は三島悠羽に起こされた。

やっと着替えて身支度を整え、朝食を済ませると、三島悠羽は彼女の手を引いて外に連れ出した。

朝起きたばかりで頭がまだぼんやりしていた杉本瑠璃は、これが一体どういうことなのか、どこへ行くのか全く理解できていなかった。

三島悠羽について別荘の門を出ると、芝生にヘリコプターが止まっているのが見えた。以前彼女が乗ったことのある、あのヘリコプターだった。

ヤマネコと葵は杉本瑠璃を見かけると手を振った。特にヤマネコは、とても興奮しているように見えた。

「杉本先生、おはようございます!」

杉本瑠璃はヤマネコに頷きながら、なぜここで彼に会えるのか不思議に思った。

もし間違っていなければ、前回三島悠羽はヤマネコを魅姫さまのところへ罰として送ったはずなのに、こんなに早く再会するとは思わなかった。

三島悠羽が一瞥を送ると、ヤマネコはたちまち飼い猫のように大人しくなり、もう杉本瑠璃と冗談を言う勇気もなくなった。

杉本瑠璃はヤマネコを見て、少し驚いた。

【ボスの女性に手を出してはいけない、この癖は直さないと。やっと杉本先生のおかげで魅姫さまの手から逃れてここでヘリを操縦できるようになったのに、もう二度と杉本先生に手を出してはいけない。ああ、さっきのボスの眼差しが鋭すぎて怖い!】

プッ!

杉本瑠璃はヤマネコの心の声を読んで、笑いそうになった。

しかし同時に、三島悠羽を見つめると、相変わらず淡々とした表情で、何の変化も見られなかった。

なるほど、三島悠羽がヤマネコを魅姫さまのところへ罰として送ったのは、彼女のためだったのだ!

なぜか突然心が温かくなり、同時に少し意地悪な気持ちも芽生えて、三島悠羽の罰は適切だったと感じた。

ヤマネコが彼女を誘惑しようとする心を持っていたなんて、確かに罰を受けるべきだった。

そう考えると、杉本瑠璃は思いつきで、笑みを浮かべながら、目に悪戯っぽい光を宿した。

「久しぶりね、ヤマネコ。今日は前回よりもっとかっこよくなったみたいね。」

ヤマネコは一瞬呆然とした。明らかに杉本瑠璃がこんなことを言うとは予想していなかった。これは全く杉本瑠璃らしくない性格だったのだ!