三島悠羽が我に返った時、先ほど彼の服に果汁をかけてしまったことに気づいた。まもなく飛行機は着陸するが、この服装では登録に行けないだろう。
「あの...シャツの替えはありますか?着替えたほうがいいと思います」
時々、杉本瑠璃は疑問に思う。実は彼女が三島悠羽の潔癖症を治したのではなく、毎回彼をぐちゃぐちゃにしてしまうので、彼が慣れてしまっただけなのではないかと。
三島悠羽はある方向に顎をちょっと上げて言った。「あちらに新しいシャツと、君用の服も用意してある」
杉本瑠璃が振り返ってその方向を見ると、確かにそこには二組の服が置いてあった。どちらもフォーマルな服装で、一組は三島悠羽用の男性服、もう一組は杉本瑠璃用の女性服だった。
彼女は驚いた。三島悠羽がこんな短時間で、結婚登録の準備だけでなく、服まで用意していたとは。