第239章 私たちは結婚しました！（3）追加更新

「準備は整いました。すぐに車を持ってきます」ヤマネコは今回、随分と大人しくなっていた。

先に着陸した葵から最新の情報を受け取っていたからだ。

今回の任務は、なんと三島様と杉本瑠璃の婚姻届を提出することだったのだ！

この知らせを聞いた時の衝撃は言うまでもなく、手が震えそうになったが、さすがに精神力が強かったため、着陸時にミスを起こすことはなかった。

ヤマネコはようやく三島様が自分を罰した理由を理解した。自分は奥様になる人を口説こうとしていたのだ。考えただけで涙が出てきそうだった。

三島様、申し訳ありません。杉本先生が奥様だと知っていたら、どんなに勇気があっても口説こうなどとは思いもしなかったのに、と言いたかった。

葵は立っているだけで目障りだったため飛行機から飛び降りさせられ、自分は魅姫さまのところへ追いやられただけだった。それを考えると、そこまで重い罰ではなかったのかもしれない。

そう思うと、ヤマネコの心は一瞬にして平静を取り戻した。

飛行機を降りてからは、ヤマネコは随分と大人しくなり、杉本瑠璃に対しても敬意を払うようになり、もう口説こうなどという考えは完全に消え去っていた。

車は終始安定した走りで、香港の民政事務局へと向かった。

杉本瑠璃は結婚経験はなかったものの、結婚には順番待ちが必要だと聞いていた。特に香港ではより厳格だと。

しかし、予想に反して、彼女と三島悠羽は直接中に入り、特別な部屋で個別のサービスを受けることができた。

面倒な手続きになると思っていたが、三島悠羽が全て手配していたおかげで、全てが順調に進んだ。

二人は写真を撮り、職員たちは丁重に対応してくれた。杉本瑠璃は感慨深い思いに浸った。

やはり権力と財力があれば、手続きの効率も何倍も上がるのだ。多くの人々が頂点を目指す理由が分かる気がした。

二度の押印音が聞こえ、彼女の手には赤い証書が渡された。開いてみると、そこには彼女と三島悠羽の写真があり、二人とも微笑んでいて、驚くことに、両者の目には幸せな輝きが宿っていた。

「三島悠羽...これで私たち、結婚したってこと？」結婚証明書を手に持ちながら、杉本瑠璃はまだ少し恍惚としていて、信じられない気持ちでいっぱいだった。