彼女を阻んでいたのは、当然、安藤颯だった。
安藤颯は死んだような目で杉本瑠璃を見つめていた。なぜだろう、杉本瑠璃がさらに美しくなったように感じられた。
なぜ杉本瑠璃は変わってしまったのだろう?
以前とは違う人になってしまった。彼は違和感を覚え始めた。以前は、安藤颯は杉本瑠璃のことを理解していると思っていた。
しかし今では、彼女のことが分からなくなってきている。
「お前…」安藤颯が口を開いた途端、杉本瑠璃に遮られた。
杉本瑠璃は手を上げて安藤颯の言葉を遮り、感情のない目で彼を見つめながら言った。「あなたのくだらない事件に、私は一切関わりたくない。もし頭がおかしくなって私を巻き込もうとするなら、容赦しないわよ。ふふ、忘れないでね。以前の毒殺未遂事件の犯人は、まだ捕まっていないのよ」