第253章 私たちは結婚しました!(17)追加更新

雰囲気が良かったので、杉本瑠璃は少し多めにお酒を飲んでしまい、ほんの少し酔いが回り始めていた。

みんな楽しく過ごし、お互いの関係も随分と近くなったようだった。

これは杉本瑠璃が常に望んでいたことだった。紅葉学園は人材の宝庫であり、ここにいる優秀な人材を見逃すわけにはいかないと思っていた。

帰り際、みんなは寮に戻ることになったが、杉本瑠璃は少し考えた後、朝日執事に電話をして迎えの車を手配してもらうことにした。

彼女はめったにお酒を飲まず、これが本当の意味で初めての飲酒だったので、安全のため、慎重を期して運転手に迎えに来てもらうことにした。

杉本瑠璃は最初、クラスメートたちに先に学校へ戻るよう勧めたが、彼らは杉本瑠璃の安全を心配して帰ろうとせず、杉本瑠璃が出発するまで待つと言い張り、彼女も仕方なかった。

そうしてLoyaの入り口には、大勢の人が待機していた。

杉本瑠璃は少し困ったが、友人たちの気持ちはよく分かっていた。

すぐに黒い車が到着した。窓ガラスまで黒く、夜も相まって、車内の人は全く見えなかった。

杉本瑠璃はみんなに挨拶をした後、素早く後部座席に乗り込んだ。

杉本瑠璃が乗り込むと同時に、車はゆっくりと発進し、みんなの視界から消えていった。

「車の中の人、見えた?さっきドアが閉まるの早くて、後部座席にもう一人影があったような気がするんだけど」

鈴木てんいちは頭をかきながら、自分の目が間違っていないと感じていた。

「お前、飲み過ぎて目が霞んでるんじゃない?私は何も見えなかったけど」斎藤きくこは首を振り、何も見えなかったと言った。

「はっ、お前に何が見えるっていうんだよ、近視なんだから。見えたらそっちの方がおかしいよ!」

鈴木てんいちが笑うと、斎藤きくこは容赦なく彼の足を蹴った。鈴木てんいちは「何するんだよ!」と叫んだ。

斎藤きくこは鼻を鳴らし、「近視だから電柱かと思って、しっかりしてるか蹴って確認しただけよ。文句ある?」

「あるよ!もちろんあるさ、それは俺の足だぞ!」鈴木てんいちは呆れ果てた様子だった。

「あら、そう?ふふ、私近視だから、よく見えないのよ」斎藤きくこは鈴木てんいちを睨みつけ、完全に彼を挑発する口調だった。