「水瀬家の者に困らされているのか?」三島悠羽は杉本瑠璃を見つめた。
以前は杉本瑠璃が水瀬家のことについて何も聞かなかったのに、今突然尋ねてきたのは、きっと何気ない質問ではないはずだ。
杉本瑠璃も三島悠羽に隠し事はせず、ただ「うん、ちょっとした問題だけど、私自身で解決できるから、心配しないで」と言った。
杉本瑠璃は三島悠羽と結婚したものの、すべてを三島悠羽に頼ろうとは思っていなかった。
確かに、三島悠羽は強力な後ろ盾だが、だからといって自分に問題を解決する能力がないわけではない。
「そうそう、私また昇級したの」杉本瑠璃がユニバースメディアのオーディションに参加していることを、三島悠羽も知っていた。
三島悠羽はまったく驚かなかった。「君が昇級しないなんて、それこそ彼らが目が見えていないということだ。今の様子を見ると、ユニバースメディアもまあまあ目が利くようだな。なるほど、第二位の座に就けるわけだ」