第279章 お前らの目を潰してやる!(23)

ぷっ!

もし彼女が本当にそう聞いたら、三島悠羽は彼女が欲求不満だから求めているのだと思うに違いない!

だめ!

そんな恥ずかしいこと、絶対にできない。

きっと三島悠羽は意図的にそうしているのだ。そうやって彼女に自ら言わせようとして、また三島悠羽の罠にはめようとしているのだ。

三島悠羽と過ごす時間が長くなるにつれて、彼女は気づいた。多くのことで、ちょっとした不注意で三島悠羽の罠にはまってしまうのだと。

そして……彼女は三島悠羽に食い尽くされ、かすも残らない。これは彼女が三島悠羽と付き合ってから、徐々に分かってきたことだった。

三島悠羽のやつ、本当に狡猾で腹黒すぎる!

杉本瑠璃が知らないのは、三島悠羽が本当に我慢できているわけではなく、我慢せざるを得ないということだった。自分の胎毒が杉本瑠璃に害を及ぼすかどうかまだ分からないため、軽々しく行動できないのだ。

実際、辛さを比べれば、彼の方が杉本瑠璃よりもずっと辛い思いをしていた。我慢するのが本当に辛かった。

甘い逢瀬が終わった後、杉本瑠璃はふと思い出した。まだ準備していないものがあることを。

「そうだ、買い忘れたものがあったわ。今何時?もう間に合わないかも!」

杉本瑠璃はようやく気づいた。ハイキングやキャンプに行くなら、必要な道具を準備しなければならないのに、何も準備していなかったことに。

「もう夜の10時だ」三島悠羽は腕時計を見て答えた。

「10時?やばい、デパートは全部閉まってるわ。明日の朝早く出発なのに、どうしよう?」

三島悠羽は少し慌てている杉本瑠璃を見て、その様子も可愛らしいと感じた。今はキャリアウーマンというよりも、本当にキャンプに行く女子学生のようだった。

「必要なものをリストアップして、朝日執事に指示すれば良い」三島悠羽にとって、これくらいの小事は何でもなかった。

「私、ハイキング行ったことないから、何が必要か分からないのよ。それに、こういうものを買うのは、自分で選んでこそ楽しいでしょ」

この点について、三島悠羽は絶対に分からないだろう。杉本瑠璃は真剣に疑っていた。三島悠羽はおそらく買い物に行ったこともないのではないかと。

三島悠羽は一瞬戸惑った後、「自分で選ぶ方が面白いのか?」と尋ねた。