第280章 お前らの目を潰してやる!(24)

話し合いの結果、杉本瑠璃は三島悠羽の言うことを聞いて、二人用のテントを選ぶことにした。

その後、必要になりそうな装備を準備し、杉本瑠璃は大きなトレッキングバッグも買って、すべてが整った。

二人は手早く済ませたものの、帰宅したのは12時過ぎだった。

帰宅後、杉本瑠璃はベッドに倒れ込んで眠りについた。十分な休息を取る必要があったからだ。

夜、三島悠羽は相変わらず杉本瑠璃を抱きしめ、唇の端を上げ、今の満足げな気分を表していた。

翌日、杉本瑠璃は先に学校に到着し、その後専用の大型バスが迎えに来て、斎藤きくこたちと一緒にバスに乗り込み、ハイキングに向かった。

2台の大型バスは、安藤間と水無瀬元宗がそれぞれ引率することになった。幸い同じバスに乗る必要はなく、安藤間と会う時間が少なくて済むため、斎藤きくこの気分は少し良くなった。

バスでの移動時間もかなり長かったが、水無瀬元宗は素晴らしいガイド役だった。景色の説明こそしなかったものの、雰囲気を盛り上げるのが上手だった。

接してみると、水無瀬元宗という人気者は本当に素晴らしい人物で、彼のファンたちは更に好きになったようだった。

水無瀬元宗に特別な感情を持っていない人たちも、彼の人柄の良さを感じ取っていた。スターでありながら、彼らに対して威張った態度を取ることはなかった。

バスでの移動時間は5時間弱で、同じ省内にあるハイキング・キャンプ場に到着した。ここは普段から多くの学生や大人がハイキングやキャンプに訪れる場所で、全体的に整備が行き届いていた。

杉本瑠璃は以前経験がなかったため、ハイキングやキャンプがどれほど大変なのか分からなかった。困難な覚悟はしていたが、実際に見てみると、ここは本当に良い場所だった。

森の中のキャンプ場まで行けば、シャワーやトイレも設置されており、杉本瑠璃はほっと胸をなでおろした。

ハイキングやキャンプの際、トイレに行きたくなった時に野外で済ませなければならないのではないかと心配していたのだ。

良かった、ここの施設は非常に充実していた。

学生たちは皆興奮しており、オーディションに参加しているというよりも、遊びに来ているような雰囲気だった。

バスを降りた後、全員が集合し、杉本瑠璃は皆が自分で用意した装備を背負っているのを見た。斎藤きくこの装備は杉本瑠璃が用意したものだった。