第281章 お前らの目を潰してやる!(25)

「今日の任務は夕食とキャンプの設営、そして夜間の見張り当番を交代で行うことです。みんな分かりましたか?」

水無瀬元宗はスポーツウェア姿だったが、群衆の中でも一目で目立つような存在感を放っていた。

「水無瀬指導教官、私たちの試験内容は何ですか?」ある学生が尋ねた。結局のところ、彼らがここに来たのは遊びのためだけではなく、試験に合格するためだった。

来たからには、まず何が試されるのか知っておく必要があった。

この学生が質問を投げかけると、全員が手元の作業を中断し、一斉に水無瀬元宗に視線を向け、彼の回答を待った。

水無瀬元宗は全員を見渡してから、「試験内容はありません。この段階では、ただ自分らしさを見せてくれれば十分です」と答えた。

えっ?

試験がない?

全員が呆然とした。試験がないなら、どうすればいいのか?どう振る舞えばいいのか?

一瞬にして、全員が方向性を失った蜂のように混乱し、次に何をすべきか分からなくなった。

しかし、チームの中には紅葉学園の学生が多くいたため、彼らは慌てなかった。水無瀬元宗が自分らしくすればいいと言ったのだから、そうすればいい。

どんな大舞台も経験してきた彼らだ。紅葉学園の面接に合格するだけでも大きなプレッシャーと挑戦が必要だった。キャンプくらいで躓くことはない。

杉本瑠璃は水無瀬元宗が何を試そうとしているのか、おおよそ理解していた。実際、彼の言う通りで、全員が自分らしさを出してこそ、水無瀬元宗は各々の真の潜在能力を見ることができる。

この段階で試されているのは、個性なのだ!

優れたアーティストとして、彼らには他人とは異なる個性が必要不可欠だ。そうしてこそ、群衆の中から自分を際立たせることができる。

また、鮮明な個性は、観客の記憶に残りやすく、個人の魅力は非常に重要だ。

個人の魅力がなければ、たとえ偶然ブレイクしても、長く続くことはない。

水無瀬元宗はこのことをよく理解していたので、第一段階では直接個性を試験し、その後で才能を考慮することにした。

アーティストにとって、才能は最も欠かせないものではない。個性と魅力を育てるのは難しいが、才能は比較的簡単に身につけることができる。