すぐに、杉本瑠璃と鈴木てんいち、斎藤きくこの三人は、たくさんの乾いた枝と木材を集めてきた。
木材は以前誰かがキャンプに来た時に切り残したものだったようで、かなり助かった。杉本瑠璃は斧を持ってきていなかったので、木を切ることは不可能だった。
鈴木てんいちは火起こしが得意で、すぐに乾いた枝に火をつけ、その上に木材を置いた。
森の中なので、火の扱いには十分な注意が必要で、大きな火を起こすことはできず、小さな火を少しずつ起こすしかなかった。
三人は何度か薪を集めに行き、ようやく一晩分くらいは確保できたので、もう木材を探しに行くのをやめた。
基本的に、彼らが起こした火は杉本瑠璃と斎藤きくこの二人が使うのにちょうど良い程度だった。
紅葉学園の生徒たちも賢い人たちで、杉本瑠璃たちが火を起こすのを見て、テントを設営した後、グループを作って薪を探しに行った。
他校の生徒たちは、誰かに手伝ってもらいたかったが、みんなが自主的に動いているのを見て、相談した後、何人かはテント設営を、何人かは薪集めを担当することにした。
すぐに夜が訪れ、生徒たちが次々と戻ってきたが、みんな疲れた表情を浮かべていた。一度にこれほど多くの人が来たため、薪を見つけるのも大変だった。
「お腹すいた、ご飯食べよう。」
鈴木てんいちはお腹をさすりながら言った。一日中動き回って、朝食を少し食べただけで、ほとんど一日中何も食べていなかったので、とっくにお腹が空いていた。
杉本瑠璃と斎藤きくこの二人はまだ大丈夫だった。二人とも苦労を経験してきた人たちなので、空腹には耐えられた。
「てんいち、何か獲物を捕まえて来て焼いて食べない?」と斎藤きくこが提案した。
「行かないよ。既製品を食べればいいさ。心配しないで、テントは持ってこなかったけど、食べ物は持ってきたから。」
鈴木てんいちは小さなバッグから数個のパンとソーセージを取り出し、遠慮なく斎藤きくこと杉本瑠璃に分けた。
しかし二人とも受け取らなかった。一日中空腹だったので、パンやソーセージでは物足りなかった。
「きくちゃん、あなたのバッグに食べ物と水を用意してあるわ。」実は、これらの物は杉本瑠璃が用意したものではなかった。