他人ならそんなことを言う資格はないかもしれないが、杉本瑠璃にはその資格がある!
安藤間は今や人気スターで、ユニバースメディアのトップ女優だが、杉本瑠璃が一言山口健太に言えば、いつでも安藤間を干すことができる。
それは自信過剰ではなく、確信なのだ!
山口健太の山口小百合への愛情は極限まで達していた。以前、彼女が山口小百合を救った時、山口小百合は常に杉本瑠璃に恩返しをしたがっていた。
もし杉本瑠璃がこの要求を山口健太にすれば、山口健太は二つ返事で安藤間を干すだろうと彼女は信じていた。
山口健太にとって、スターは育てることができるが、命の恩は簡単には返せないものだ。
安藤間はそれを聞いて、顔が青ざめた。彼女は杉本瑠璃が冗談を言っているわけでも、大げさな話をしているわけでもないことを知っていた。
杉本瑠璃は山口健太の恩人で、山口健太と密接な関係にあった。以前、彼女が水無瀬元宗と遊びに行った時に山口健太に見つかった。あの時の山口健太の表情は今でも忘れられず、もう二度と間違いは犯せないと思った。
彼女は、杉本瑠璃がたかが手下のために自分を脅すとは思ってもみなかった!
斎藤きくこと鈴木てんいちは少し不思議に思った。損を受けるのが嫌いな安藤間が、なぜ杉本瑠璃の言葉の後に反論せず、むしろ少し怯え、ひどく顔色を悪くしているのだろうか!
「わかばちゃん、知らなかったわ。あなたがそんなに強い実力を持っているなんて!」
一人のタレントを干すことができ、そのタレントも杉本瑠璃を恐れているようだ。どうやら杉本瑠璃は安藤間を脅しているのではなく、本当にそれができるようだ。
杉本瑠璃は神秘的に微笑んで、「まあまあね、小さなタレント一人くらい、余裕で対処できるわ」
大スター安藤間が、杉本瑠璃の口では小さなタレントになってしまった。安藤間は怒りで崩壊しそうになったが、杉本瑠璃に逆らう勇気はなかった。
初めて、安藤間はしっぽを巻いて逃げ出すような形になった。
斎藤きくこも目を見開いて杉本瑠璃を見つめ、「蒼、あなたがますます神秘的になっていくのを感じるわ」
以前、斎藤きくこは杉本瑠璃が翡翠店を持っているだけだと知っていた。たとえ経営が上手くいっていても、小金持ちのレベルだと思っていた。