第295章 お前らの目を潰してやる!(39)

夜は水のように冷たく、一夜の契りを交わした!

翌朝、学校は休みで、杉本瑠璃は大きなビルの方へ向かった。そこは今は空いていて、日向あきらが見守る中、内装工事が進められていた。

三島悠羽も朝早くから杉本瑠璃と一緒に出かけたが、杉本瑠璃は彼がどこへ行くのか尋ねることもなかった。お互いの仕事に対して、過度に干渉しないという関係だった。

ビルに着くと、日向あきらは泥だらけの姿で出てきた。杉本瑠璃は一瞬驚いて、「これは何?泥の山に落ちたの?」と尋ねた。

日向あきらは少し恥ずかしそうに、急いで体の埃を払おうとしたが、かえって埃が舞い上がってしまった。むしろ더더욱汚れてしまい、慌てて手を止めた。「蒼、大丈夫?むせなかった?」

彼は本当に間抜けなことをしてしまった。体中埃だらけなのに、払おうとして、払えば払うほど埃が舞い上がってしまう。

杉本瑠璃は首を振り、日向あきらをじっくりと観察してから、再び尋ねた。「一体どうしたの?」

内装工事なのに、なぜ彼が泥と埃まみれになっているのか。自分で作業する必要はないはずなのに。

日向あきらは一瞬躊躇し、明らかに表情が不自然で、ぎこちない笑みを浮かべながら言った。「工事だから、環境が良くないのは当然でしょう。大丈夫です、この服は後で洗えばきれいになりますから。蒼、今は中に入らない方がいいですよ。中は煙たくて、空気が悪いので。」

【いけない!蒼を止めなければ。中に入ったら全てバレてしまう。中で働いているのは俺たち仲間と急遽集めた友人たちだけだ。内装業者が見つからなかったことを、蒼に知られてはいけない。】

杉本瑠璃は日向あきらの表情がおかしいのを見て、彼の心を読んでみた。すると、彼女も少し驚いた。

内装業者が見つからないなんて、全く予想もしていなかった!

そんなことがあり得るだろうか。今は内装工事のピークシーズンでもないし、彼らの提示する賃金も低くないはずだ。むしろ多くの人が争って来るはずなのに、なぜ誰も来たがらないのだろう?

「日向さん、ここを任せたのは、あなたを信頼しているからです。隠し事をしてほしくありません。どんな理由があっても、私は本当のことだけを聞きたいのです。分かりますか?」

杉本瑠璃は真剣な表情で言った。日向あきらに対して、正直であることの重要性を理解させる必要があった。