第294章 お前らの目を潰してやる!(38)

「今夜もテントで寝ましょう。昨日は良かったわ」三島悠羽は楽しそうにそう決めた。

昨夜の情熱的で刺激的な出来事を思い出し、杉本瑠璃は少し顔を赤らめた。幸い、空が暗くなっていたので、三島悠羽に気付かれなくて済んだ。もし見られていたら、本当に恥ずかしくて地面に埋もれたいくらいだった。

三島悠羽と親密な関係を持つのは何度目かわからないが、毎回とても刺激的で忘れられない思い出になっていた。

そして、毎回心臓が激しく鼓動し、まるで次の瞬間に飛び出してしまいそうな感覚だった。

その強烈な感覚、脈打つ血潮、魂を溶かすような絡み合いは、興奮を抑えきれず、なかなか落ち着くことができなかった。

思い出すたびに、なぜか心臓が早鐘のように打ち始める。

そしてその感覚は、二人が過ごす時間とともにますます強くなっていった。何度も、二人の関係が一線を越えて進展するのではないかと思ったが、結局そうはならなかった。

彼女は、三島悠羽が何か心配事を抱えているのだと感じていた。

でも、直接聞くのは気が引けて、それが少し苦痛だった。

夜になり、二人は当然テントで寝ることになった。ただし、いつの間にか三島悠羽がテントの天井に穴を開けていて、開ければ星が見え、閉めれば普通に寝られるようになっていた。

仰向けに寝そべって空の星を眺めていると、杉本瑠璃はとても落ち着いた気分になった。

Y市の夜空には、星はそれほど多くなかったが、わずかに見える数個の星を眺めているだけでも幸せな気分になれた。

「少し後悔しているんだ」静かな夜空に、突然三島悠羽の声が響いた。

杉本瑠璃は横を向いて、隣に寝ている三島悠羽を見た。「何を後悔してるの?」

杉本瑠璃はかつて、三島悠羽の口から「後悔」という言葉は永遠に聞けないだろうと思っていた。なぜなら、三島悠羽の辞書には「後悔」という言葉は存在しないはずだと考えていたからだ。