杉本瑠璃を見て、この内装業者はとても熱心で、立て続けに自分のことをアピールした。
しかし、日向あきらが近づいて杉本瑠璃の隣に立つのを見ると、すぐに黙り込み、杉本瑠璃と日向あきらをしばらく観察してから、「お二人は...一緒なんですか?」と尋ねた。
杉本瑠璃はその人を見つめ、「一緒だったらどうですか?一緒じゃなかったらどうなんですか?」と問いかけた。
どうやらこの内装業者は日向あきらを知っているようで、日向あきらが来るのを見ると、態度が先ほどとは違ってきた。
確かに、日向あきらは嘘をついていなかった。本当に内装業者を見つけるのは難しかったのだ。
内装業者は口を尖らせ、イライラした様子で手を振って、「もういいです、他を当たってください。時間がないので」と言った。
杉本瑠璃は興味を持ち、眉を少し上げて、「へぇ?さっきまで時間があったのに、急に時間がなくなったんですか?もし金額の問題なら、上乗せすることもできますよ」と言った。
「結構です、結構です。他の人に聞いてください。とにかく私には聞かないでください、絶対にやりません」
「なぜですか?」杉本瑠璃は追及し、読心を始めた。
「特に理由はありません。とにかくやりません」
内装業者はイライラした様子で言った。
【自分たちは既に敵を作ってしまった。内装業界全体であなたたちを締め出すことになっている。今のY市には引き受ける内装チームはいないはずだ】
杉本瑠璃は簡単にこの人の心の中を読み取り、やはり彼女の予想通り、誰かの敵を作っていたのだ。
ただし...一体誰の敵を作ったのだろうか?
そこで、杉本瑠璃は突然、「ふん!お金を稼ぐチャンスも分からないなんて!他の人を探せばいいわ。あなたにお金を稼がせたくもないわ!」と言った。
内装業者は冷ややかに鼻を鳴らし、杉本瑠璃に取り合わず、心の中で嘲笑った。
【ふん!どれだけ頑張っても内装チームは見つからないさ!この業界のボスが命令を出したんだ。誰も引き受けちゃいけないって。お前に見つけられるわけがない】
杉本瑠璃は心の中で冷笑し、日向あきらと共に立ち去った。
車に乗ってから、日向あきらは杉本瑠璃が何をしようとしているのか理解できなかった。直接探しに来たはずなのに、一人に聞いただけで探すのをやめてしまうのはなぜだろう?