先生が近づいてきて、見てみると、杉本瑠璃は初めてこの作業をしているにもかかわらず、全体的に見て完成度はとても良かった。
先生は頷いて、「よし、準備ができているようだから、君と鈴木光男はこのグループでいいだろう。これから、解剖の仕方を教えていきます」と言った。
ぷっ!
鈴木光男は杉本瑠璃を手伝った後、任務は光栄にも終わったと思っていたが、まさか自分がこのグループに配属されるとは思ってもみなかった。
このグループに配属されるということは、この遺体を使って解剖作業を行うということを意味するのだ!
おお!
なんてこった!
彼は内心、もっと普通の遺体を解剖したかったのに、なぜ杉本瑠璃とグループにならなければならないのだろう?
先生は...きっと彼をからかっているに違いない!
鈴木光男は瞬時に気分が悪くなった。さらに、先生は杉本瑠璃ではなく、自分をからかっているのではないかと感じた。
杉本瑠璃は鈴木光男の表情を見て、さらに彼の心を読んで、また笑ってしまった。
さらに意味深な口調で、「鈴木光男くん、私たち縁があるみたいですね。これからよろしくお願いしますよ!」と言った。
鈴木光男は顔色が悪く、憂鬱そうな様子で、「今となっては、むしろ後で指導してくれるのは君の方かもしれないね」と言った。
杉本瑠璃は鈴木光男を慰めようと手を上げて肩を叩こうとしたが、鈴木光男は恐怖に駆られて数歩後退し、警戒して「動かないで!軽はずみな行動はしないで、その手は...」と言った。
杉本瑠璃はそこで自分の手を見て、少し申し訳なさそうな表情をした。
はは、こんな悲惨な手を人の体に触れさせたら、それこそ間接的な嫌がらせになってしまうだろう。
杉本瑠璃は苦笑いしながら、本当は鈴木光男をからかうつもりはなく、ただ忘れていただけだった。
手袋を脱いで専用のゴミ箱に捨て、新しい手袋に取り替えた。
一連の動作は非常に手慣れていて、少しのもたつきもなかった。多くの人がこれらのことを冷静にこなせたとしても、後で手についた粘っこい物を見ると、多かれ少なかれ心理的な抵抗を感じるものだ。
しかし杉本瑠璃にはそのような反応が全くなく、周りの人々は杉本瑠璃が間違いなく精神的に非常に強い人物だと感じた。