杉本瑠璃は微笑んで、何も言わなかった。
すると、鈴木光男は涙を流し、これからはこんなことは絶対にしないと心に誓った。
杉本瑠璃のような人に出会ったら、本当に自分から苦労を招くことになる。
授業はあっという間に終わり、杉本瑠璃はたった一時間で、クラス全員の心を掴んでいた。
多くの学生たちは、すでに杉本瑠璃に好意を示し始め、自ら話しかける生徒も出てきていた。
時には、認められたいなら、自分の実力を見せつけ、相手を心服させることが必要なのだ!
杉本瑠璃は、まさにその典型だった!
おそらく鈴木光男だけが知っていただろう、実際の杉本瑠璃には、彼らの知らないもう一つの顔があることを。
うぅ!
彼は不運すぎる、なぜ彼がそれを見なければならなかったのか?
なんて胸が痛むんだ!
そして杉本瑠璃が授業を終えた後、安藤間の方でまた問題が起きたと聞いた。
実は大したことではなく、安藤間があるケーキ屋のスイーツが食べたいと言い出し、ある生徒に買いに行かせたのだ。
本来、安藤間チームの生徒たちは個人的に安藤間の用事を引き受けたくなかった。安全性に不安があったからだ。しかし安藤間の態度があまりにも強圧的だったため、その生徒は仕方なく承諾した。
そして、距離が遠かったため、この生徒は急いで戻る途中、不注意で車にぶつかってしまった。
衝突自体はそれほど深刻ではなく、軽い擦り傷程度だったが、そのせいで授業に遅刻してしまった。
紅葉学園の規律は非常に厳しく、無断欠席は絶対に許されない。以前、杉本瑠璃も休むときは必ず許可を取っていた。そうでなければ、同じ処分を受けることになる。
そして...この不運な生徒は、学校から退学させられるリスクに直面することになった。
その場でこの知らせを聞いた生徒は、呆然となり、さらに先ほどの事故の影響もあって、その場で気を失ってしまった。
現在、その生徒は病院に救急搬送され、この事件が紅葉学園の生徒に起きたことで、安藤間のこの行為は紅葉学園の生徒たちの強い不満を引き起こした。
他の人々は知らないかもしれないが、紅葉学園の生徒たちは、紅葉学園の一員になることがどれほど難しいかをよく知っている。
それが安藤間という女のせいで、この生徒の人生が台無しにされてしまった。紅葉学園の生徒たちが怒らないはずがない。