「このロマンチックな方法は……体力の勝負ね」
杉本瑠璃は思わず笑みを浮かべ、目には少し見物人のような色が宿り、三島悠羽がいつまで持ちこたえられるか見守っていた。
三島悠羽は杉本瑠璃の思惑を見抜き、頭を下げて彼女の耳元に近づき、囁くように言った。「夫の体力は……満足させられると約束しよう」
あっ……
杉本瑠璃は三島悠羽を睨みつけた。彼が話すときはいつも少し不真面目な感じがして、毎回彼女を赤面させてしまうのだ。
杉本瑠璃は三島悠羽を見るのを諦めた。どうせ彼が抱きしめたいというなら、疲れるのは彼の方なのだから、好きにさせておこう。
その後、三島悠羽は小麦粉を持ってきた。もちろん、小麦粉を取ったのは杉本瑠璃で、手にはかなりの粉が付いていたが、十分な量は確保できた。
手に付いた小麦粉を見ながら、先ほどの不注意で杉本瑠璃の顔にも少し粉が付いていた。