第321章 杉本グループ（5）追加更新

杉本瑠璃は頭の中が轟音を立てたように感じ、体が燃えるように熱くなった。

三島悠羽の言った「座る」と「する」は違うと分かっていても、同じ発音で、窓に映る光景と重なり合って、単純で普通の言葉が、まったく違う意味に聞こえてしまった！

「このカウンターは硬すぎて、居心地が悪いわ」杉本瑠璃は何を言えばいいのか分からなかった。

「そう？慣れれば大丈夫だよ」三島悠羽は手元の作業を続けながら、止まることなく言った。

杉本瑠璃は自分で降りようと思ったが、今は完全に三島悠羽の腕の中にいて、降りる隙間すら見つからず、少しイライラしてきた。

「あの...我慢したくないの。先に離してよ、降ろして。ここ硬すぎるわ」杉本瑠璃は手で三島悠羽を押したが、彼は依然として動かなかった。

「慣れるさ、もっと硬いものも...これから深く体験することになるよ。さあ、いい子にして。すぐ終わるから」

杉本瑠璃は言葉を失い、三島悠羽に言い返せず、さらに冗談を言われてしまった。

何が「これから深く体験する」よ...

三島悠羽...あなたの節操はどこへ行ったの？

三島悠羽と言い争った末、杉本瑠璃は結局負けを認め、賢明にも黙ることを選んだ。

窓に映る二人の姿勢や動きがあまりにも官能的で、想像を掻き立てられそうになったが、意志さえ固ければ、なんとか耐えられるはず。

はぁ！

いつからこんなことまで我慢しなければならなくなったの？

幸い、三島悠羽は手の動きを速め、すぐに見事な麺を作り上げた。これは杉本瑠璃を驚かせるに十分なことだった。

三島悠羽に一体何ができないというの？彼女は三島悠羽に深い尊敬の念を抱いていた。

もし三島悠羽がファンクラブを作るなら、彼女は間違いなく真っ先に手を挙げて、管理人にでもなりたいと思った。

三島悠羽がこんなに細い手打ち麺を作れるなんて、これぞ匠の技、今日こそ本物を見た気がした。

「できたよ。これで降りていいかな？」やっとこんな気まずい状態で座っていなくて済む。これはまさに別の形の拷問だった。

三島悠羽は杉本瑠璃を見て、「自分で麺を持っていて」と言った。

杉本瑠璃は素直に麺を取り、すぐに丼に入れて、おべっかを使うように三島悠羽に差し出した。

「はい、三島様！」杉本瑠璃は笑顔を作ったが、顔の紅潮は隠しきれなかった。