安藤間から見れば、安藤颯こそが一組で最も優れた人物であり、容姿も雰囲気も、そして親しみやすさも、最高の人選だった。
しかし、今や最後の一枠しか残っていない。まさか……安藤颯が落選してしまうのか?
これはあまりにも不公平だ!
安藤間は心の中で少しイライラしていた。とにかく彼女は安藤颯が非常に素晴らしいと思っていた。
「最後の一人は……」水無瀬元宗は一瞬言葉を切り、周りの人々を見渡した後、最後に杉本瑠璃に視線を向けた。
「杉本瑠璃だ。」
やはり!杉本瑠璃だ!
皆は納得して頷いた。杉本瑠璃は間違いなく相応しい、彼らも認めざるを得なかった。
そして、水無瀬元宗が選んだ人々は、確かに皆優秀だった。
杉本瑠璃本人は特に反応を示さず、他の人々のように興奮している様子はなかった。
喜ぶ者もいれば悲しむ者もいる。悲しんでいるのは、当然安藤颯だった。
安藤颯は両手を強く握りしめ、明らかに心の中では非常に不満を感じていた。
この結果に対して、彼は不公平だと感じていた!
石川静香まで選ばれたのに、なぜ自分は選ばれなかったのか!
きっとこの水無瀬元宗が意図的にやったんだ。きっと水無瀬元宗は、もし自分がユニバースメディアに入ったら、水無瀬元宗の地位を奪うことを恐れているんだ。
そうだ!
間違いなくそういうことだ。だから水無瀬元宗は自分を選ばなかったんだ。
でも……今この状況で、どうすればいいんだ?今回は非常に貴重なチャンスで、彼はユニバースメディアに入りたかった。
実は、安藤颯は今紅葉学園でそれほど順調ではなかった。
以前の山本主任の毒殺事件のことで、彼はいつも不安を感じていた。杉本瑠璃が何か知っているような気がしていた。
今は山本主任が逮捕されているが、それでも彼は事件が発覚することを心配していた。もし学校に当時毒を入れたのが自分だと知られたら、間違いなく退学処分になるだろう。
だからこそ、安藤颯は今回のチャンスをとても重視していた。一旦ユニバースメディアの練習生になれれば、たとえ不運にも紅葉学園から退学させられても、まだ逃げ道がある。
もちろん、最も重要なポイントがもう一つあった。
それは山口小百合のことだ。