「どのチームのメンバーであろうと、二次選考に進んだ人なら、私には選ぶ可能性があります。自分のチームのメンバーしか選べないなんて、誰が決めたんですか?」
安藤間は安藤颯を全力で支持するつもりだった。「それに、私はユニバースメディアの人間です。当然、我が社にとって最も有望な新人を選ばなければなりません。安藤颯には確かに潜在能力があります。ユニバースメディアの上層部も、この選択に同意してくれるはずです」
仕方がない、指導者は安藤間で、安藤間がそう決めたのだから、彼らにはどうすることもできなかった!
そしてユニバースの主任は少し考えた後、安藤間とも話し合ったが、安藤間の態度は明確で、主任も結局、オーディションのことで自社の大物スターを怒らせる必要はないと考えた。
しかも、その安藤颯は確かにイケメンで、プロデュースすれば本当にブレイクするかもしれない。
「先ほど会社と相談しましたが、安藤間さんの選択に同意します。そもそも、指導者が他のチームのメンバーを選べないとは言われていませんでした。したがって、安藤間チームの最後の枠は、安藤颯に決定します」
主任が直接結果を告げた。学生たちが大企業の人間と争えるはずがない。
そもそも、ユニバースメディアが人選をしているのだから、誰を選ぶかは彼らにはコントロールできない。
ただ...皆は少し心が冷めた気がした。
「ちょっと待ってください」
皆が仕方なく妥協しようとしていた時、杉本瑠璃が突然口を開いた。
なぜかわからないが、今や杉本瑠璃が発言すると、皆が無意識のうちに、事態がまだ好転するかもしれないと感じた。
彼らにもなぜそう思うのか説明できないが、杉本瑠璃には人々に希望を抱かせる何かがあった。
安藤間は一瞬固まった。彼女が最も対峙したくなかったのが、杉本瑠璃だった。
心の中で杉本瑠璃を嫌っていることに加えて、彼女はほぼ毎回杉本瑠璃にやられていた。
しかし、杉本瑠璃を無視することもできない。山口健太の恩人なのだから。
安藤間は深く息を吸い、杉本瑠璃を見た。「杉本くん、何か用でしょうか?まさか、私たちユニバースメディアの事情に口を出すつもりですか?」
安藤間は杉本瑠璃に、これはユニバースメディアの内部の問題だから、口を出さない方がいいと告げているのだ。