第351章 杉本グループ(35)追加分

水瀬英明の顔色は良くなかった。今日は本当についていない日だった。やっと気に入った女性を見つけ、その気になっていたのに、突然邪魔が入ってしまった。

今はもっと憂鬱だ。彼が気に入った女性が、まさかあの杉本瑠璃、三島様の若妻だったとは!

彼の運の悪さときたら、本当に最悪だ!

「どうしたいんだ?」水瀬英明は眉を少し上げ、警戒しながら杉本瑠璃を見た。

この件で三島様と衝突したくはなかった。彼にはよくわかっていた。三島悠羽と衝突すれば、間違いなく自分が悲惨な目に遭うということを。

だから...この件については、諦めるしかなかった。

杉本瑠璃は口元を歪め、とても狡猾な笑みを浮かべた。まるで水瀬英明のこの言葉を待っていたかのように。

羽田和彦には、水瀬英明が杉本瑠璃の術中にはまったような気がした。