第356章 杉本グループ（40）

杉本グループは静かに、こうして動き始めた。

杉本グループがオープンした後、水瀬玲奈という女の誕生日パーティーの日を迎えた。

以前、三島悠羽が誕生日パーティーに彼女を連れて行くと言っていたが、本当に約束通り行くことになった。

三島家の方で、三島悠羽が来ると知った時、水瀬玲奈は怒り狂った。

三島悠羽が来るということは、その日一番輝かしく、一番目立つのは彼女ではなくなるということだ。

それは三島悠羽になるということ！

もしかしたら...また外出禁止になるかもしれない。自分の誕生日なのに、三島悠羽が来たからといって、外出禁止で客を迎えることもできないなんて？

そんな誕生日なんて意味がない！

とにかく水瀬玲奈はこのニュースを聞いてから、完全に落ち着きを失い、何日も気が滅入って、憂鬱な日々を過ごしていた。

本来なら誕生日の前に準備することがたくさんあったはずだが、今年は全く気が乗らず、準備する気も起きなかった。

前日の夜になって、三島颯真が喜んで彼女に告げた。今回三島悠羽が宴会に参加するのは杉本瑠璃と一緒に来るからで、だから彼女の面子を立てて、避ける必要はないと。

これを聞いて水瀬玲奈はようやく少し笑顔を見せた。少なくとも、自分の誕生日パーティーに主役である自分が出席できないという恥ずかしい事態は避けられた。

もしそうなっていたら、本当に大きな笑い者になっていただろう。

「悠羽、今日のパーティーが終わったら、両親に打ち明けなければならないと思うわ。何を言うか考えておいてね。何かあったら、あなたが対処してよ」

杉本瑠璃はハンサムな三島悠羽を見て、ふと思った。足を引きずらなくなった三島悠羽は、あまりにも輝かしすぎる。こんな男性を連れて行くのは確かに誇らしいけれど...

間違いなく蜂が蜜に寄ってくるような存在になるわ！

今夜は水瀬玲奈を刺激するだけでなく、狼のような女性たちからも守らなければならないようだ。

もちろん、杉本瑠璃は三島悠羽がそれらの女性に魅力を感じることを心配しているのではなく、三島悠羽がそれらの女性に嫌な思いをさせられることを心配していた。

「両親のことは、もちろん僕が対処するよ。でも...今日のパーティーでの出来事や人々については、奥様にお任せするしかないね」