「ところで、最近あなたが以前購入した土地に関する政策が発表されそうなのをご存知ですか?」
三島おじいさまはお茶を飲みながら、何気なく話しかけた。
杉本瑠璃は微笑みながら、相変わらず平然とした様子で、「そうなんですか?私の人脈はまだ十分ではないので、その情報は聞いていませんでした。でも、政策があるのは良いことではないでしょうか?」
「ああ、確かに良いことだ」三島おじいさまは杉本瑠璃を深く見つめた。人を見る目には自信があったが、杉本瑠璃の心中は読み取れなかった。
この杉本瑠璃は孫と同じく、読み取りにくい性格をしている。
まあいい!
どうあれ、原西開発区の件だけでも、杉本瑠璃が独特な視点と冷徹さを持ち合わせた人物だということは分かる。
むしろ、彼女のビジネスセンスは非常に優れており、素質のある人材だ。
三島おじいさまは杉本瑠璃とさらに話を続け、話せば話すほど、杉本瑠璃という子は本当に貴重な存在だと感じ、時間を忘れるほど話に夢中になった。
最後には、下階で待っていた水瀬玲奈が焦れて、三島颯真に上階へ呼びに行かせた。
三島颯真のノックの音が、杉本瑠璃と三島おじいさまの会話を遮った。
明らかに、三島おじいさまは不機嫌そうだった。話が盛り上がっているところを邪魔されたのだから。
三島颯真は何も知らずに入ってきて言った。「お父さん、パーティーが始まりますよ。お客様たちがお待ちですから、下に降りましょうか」
三島おじいさまは三島颯真を睨みつけた。「ふん!出来の悪い奴め。一日中あの女のそばをうろついて、女を見る目は息子の十万倍も劣っている!」
三島颯真は人を呼びに来ただけなのに、三島おじいさまに散々叱られ、それでも笑顔で頷くしかなかった。
「はい、はい、お父さんのおっしゃる通りです」
三島おじいさまはため息をついた。もし三島颯真が悠羽の母親に対してもこのように気遣っていたら、源光希も死ぬことはなかったかもしれない。
ああ!
本当に因果なことだ!
幸い、孫は優秀で、満足のいく孫嫁を見つけてきた。この点では三島颯真に似なかったのが、本当に幸いだ。
三島颯真は自分の父親に叱られても、何も反論できず、ただ心の中で杉本瑠璃に対して親しみを持てないでいた。