杉本瑠璃は少し驚いた。これは三島悠羽の仕業だと思っていたから、水瀬玲奈が人を連れて二階に上がっていくのを、悠羽があんなに冷静に見ていたのだと。
しかし、これが三島悠羽の仕業ではないとは。
もし悠羽でないとすれば……誰が仕掛けたのだろう?
杉本瑠璃は会場の人々を一瞥し、心の中で推測した。
誰がやったにせよ、今日の三島明と水瀬玲奈は確実に散々な目に遭うことになるだろう。
「何をしに来たのかは分かっているが、まずは立ち上がりなさい。これは何という態度だ。今日は私の妻の誕生日パーティーだ。勝手に騒ぎを起こす場所ではない」
三島颯真はすでに十分腹を立てていた。彼のビジネスパートナーたちが皆ここにいる中で、こんな恥ずかしい場面を見せられて、彼の面子はどこに置けばいいというのか?