第373章 私は道場破りに来ました！（17）

杉本瑠璃は微笑んで、目に光が走り、目尻を少し細め、目には賢明さが満ちていて、先ほどとは全く異なっていた。

「清水さんが私を『杉本先生』と呼ぶからには、ご家族の中に私に診てもらいたい方がいらっしゃるのでしょうね」

清水翔太は目を光らせ、笑みを浮かべた。ただし、その笑みは相変わらず浅かった。「三島様の目は確かに鋭いですね。その通りです。私には患者がいて、あなたに診てもらいたいのです。杉本先生にはお時間がありますでしょうか？お願いできますでしょうか？」

杉本瑠璃は清水翔太の考えを既に知っていた。実は、パーティーで初めて会った時から、杉本瑠璃は清水翔太がそのような考えを持っていることを見抜いていた。

今日まで待って彼女を訪ねてくるなんて、この清水翔太は本当に我慢強い人だ。

「清水さんが直々にお願いしてくださるのなら、断るわけにはいきませんね。ただし...治せるかどうかは、患者さんを実際に診てみないと分かりません」

杉本瑠璃は病気を治すことに関して、実はそれほど選り好みはしなかったが、かといって同情心から誰でも助けようとするわけでもなかった。

もしそうだったら、彼女は疲れ果ててしまうのではないだろうか？

今日、清水翔太の依頼を受けることにしたのは、清水翔太が彼女に恩を施してくれたからで、この恩は返さなければならないと思ったからだ。

「分かりました。後ほど改めて杉本先生をお迎えに参ります」

杉本瑠璃は頷いた。清水翔太は杉本瑠璃を深く見つめた後、少し躊躇してから続けた。「杉本先生はビジネスにご興味はありますか？」

杉本瑠璃は目を細め、唇の端を少し上げた。「清水さんは何かご助言がおありですか？」

清水翔太は首を振った。「助言というほどのものではありません。ただ、前回のパーティーの時、杉本先生のビジネス界の動向に対する見解が非常に鋭かったので、失礼を承知で伺ってみました」

杉本瑠璃のビジネスの件は、実は外部に隠してはいなかった。パラダイスのことも、清水翔太は知っていた。

なぜ知っているかというと、もちろん清水翔太が杉本瑠璃の動向を長い間注目していたからだ。

もちろん、監視していたわけではなく、ただ杉本瑠璃のことをもっと知りたかっただけだ。