第383章 私は道場破りに来ました!(27)

佐藤執事は杉本瑠璃とはあまり会う機会がなかったものの、今や三島おじいさまが直々に家督の件を杉本瑠璃に任せたということは、杉本瑠璃がこの家の未来の女主人になるということを意味していた。

「はい。しっかりと手配させていただきます」

水瀬玲奈はよろめき、今日は大きな失態を演じてしまったことを痛感した。この杉本瑠璃という女は、本当に恐ろしい存在だった。

どうしてこんな人物が三島家に嫁いできたのだろう!

初めて杉本瑠璃と対峙した時、水瀬玲奈も水瀬霧乃も気づいていた。杉本瑠璃は他の女性とは違う、手腕があり、しかも自分たちのコントロールが効かない人物だということを。

この点が特に重要だった。

杉本瑠璃は頷き、皆に向かって言った。「申し訳ございません。本日は家庭内で少々トラブルがございましたが、既に解決いたしました。皆様にはお楽しみいただければと存じます。このような予期せぬ出来事で、お気分を害することなく」

杉本瑠璃は皆に軽く頭を下げ、その後、三島悠羽の元へ戻った。

水瀬玲奈のことは無視し、水瀬玲奈はぼんやりとその場に立ち尽くしたまま、杉本瑠璃が三島家で指示を出す様子を見つめていた。

この杉本瑠璃は、まったく自分の意見など聞く耳を持たず、まるで自分を空気のように扱っている。

そして佐藤執事までもが杉本瑠璃の言葉に非常に恭しく従っている様子に、水瀬玲奈は信じられない思いだった。

以前、杉本瑠璃が三島家に来たばかりの頃は、佐藤執事はまだどちらにも味方していなかったのに、今では、この佐藤執事も陣営を決めたようだ。

それも杉本瑠璃側についたのだ。

これは...一体誰の誕生日パーティーなのか?今日の主役は誰なのか?

その瞬間、水瀬玲奈の心は激しく痛んだ。今日の誕生日パーティーを利用して自分の地位をより一層際立たせ、三島家の勢力を借りて水瀬家の地位も高めようと思っていた。皆に三島家での自分の地位を見せつけ、それによって水瀬家をより一層警戒させようと考えていたのだ。

しかし、今はまったくその効果が得られず、むしろ逆効果になってしまった!

これは誰のせいなのか?

水瀬玲奈には、皆がひそひそと話し合っているのは、きっと自分のことを話題にし、自分を嘲笑っているのだと感じられた。