こんなに見覚えのある光景、デジャヴのようだ。ただし、今回ベッドに横たわっているのは彼女ではなく、この少年だった。
杉本瑠璃はずっと、清水翔太が治療を頼みたかったのは彼の妻か何かだと思っていたが、まさか少年だとは思わなかった。
彼女より数歳年上にしか見えない少年だった。
この少年の体調は良くなく、非常に痩せており、呼吸も弱々しかった。
特に脚は深刻な萎縮状態で、歩行は不可能な状態だと思われた。
少年は目を閉じたまま、目覚める気配はなかった。
この部屋には、白衣を着た三人の研究者が監視していた。
三人は清水翔太が入ってくると、頷いて挨拶をした。
ただし、彼らの視線が杉本瑠璃に向けられた時、一瞬戸惑いの色を見せた。
しかし彼らは疑り深くおしゃべりな性格ではなかったので、清水翔太自身が連れてきた人物なら、特に何も聞く必要はないと判断したようだった。