第403章 新しい世界に入る(13)

これらの学生自身は斎藤きくこに対して大した攻撃力はなかったが、彼らは斎藤きくこのこの行為が紅葉学園の恥だと考えていた。

結局のところ、多くの人が斎藤きくこがナイトクラブで男と親密に絡み合っている写真を見ており、さらに意図的に作られた証拠も加わって、彼らはそれらが真実だと信じていた。斎藤きくこは確かにカミングアウトしたのだと。

元々紅葉学園の一部の貴族たちは、一般の学生に対して生まれながらの拒絶感を持っていたが、これらの一般家庭の学生たちには才能があり、尊敬に値するものがあった。だから彼らは本当にこれらの学生を標的にすることはなかった。

しかし斎藤きくこのこの件は、彼らが受け入れられないものだった。ほぼすべての拒絶心理がこの件で爆発したと言っても過言ではない。

「おい、お前はどの学部だ?お前も首を突っ込みたいのか?それともお前も中に入りたいのか?今、あの斎藤きくこを擁護する奴らは全員中にいるぞ、お前も入りたいのか?」

言葉が終わる前に、桐生誠一は強引に押し込まれ、女子トイレの中に直接押し入れられた。

人が多すぎて非常に混雑していたため、桐生誠一はまったく抵抗せず、強引に押し込まれた。

最初、桐生誠一は少し顔を赤らめた、やはり女子トイレだったからだ。しかし、すぐに彼の注意は中の状況に移った。

「きくちゃん、大丈夫?彼らは何かしたの?」

予想外なことに、桐生誠一は斎藤きくこだけが中に閉じ込められていると思っていたが、中には他の人もいることに気づいた。

「なんでこんなに人がいるんだ?」桐生誠一はここにいる人々を見て、少し驚いた。

斎藤きくこの状態は桐生誠一よりもずっと良く、あのうわさのせいで泣き崩れることもなく、外の人々の包囲に慌てふためくこともなかった。

「桐生誠一、あなたもなぜここに?」斎藤きくこは尋ねた。

桐生誠一は服を払い、きちんと立ってから言った。「もちろん君のことが心配だったんだ。君が囲まれていると聞いて、すぐに駆けつけたんだ。でも君一人だけだと思っていたよ、なぜこんなに多くの人を囲んでいるんだ?」

「この人たちは私を擁護してくれた人たちよ、結局外の人たちに押し込まれちゃったの」斎藤きくこが説明すると、桐生誠一はようやく理解した。