これらの人々が斎藤きくこを取り囲んでトイレに押し入ろうとしていた時、後ろで少し騒ぎが起きた。
誰かが鋭く叫び声を上げた。その声は非常に貫通力があり、何か恐ろしいものを見たかのようだった。
その声を聞いただけで、全身の毛が逆立つような感覚があった。
すぐに外側の人々はほぼ瞬時に大きなスペースを空け、皆できるだけ遠くに逃げた。
中にいる人々はまだ状況が分からず、ただ絶え間なく続く悲鳴を聞いているだけだった。
一人が叫ぶだけならそれほど恐ろしくないかもしれないが、全員が叫んでいる状況は全く違う。
まだ状況を見ていない多くの人々は心臓がドキドキし、自分の番がいつ来るのかと感じていた。
案の定、皆が恐怖で、ある人は気絶してしまい、すぐに全員が何が起きたのかを目にした。
そしてトイレを塞いでいた人々も無意識のうちに遠くへ逃げ、誰も近づく勇気がなかった。
先ほどの混雑した状況と今の様子は、まさに鮮明な対比を成していた。
「うわっ!これ...これは何だ!これは何だ!なんてこった、俺...吐きそうだ!吐きそうだ!」
「あ...あ...あまりにも血なまぐさい!あ...あ...あれは死...死体か!」
「ああああ!死体だ、死体!」
胆の小さい女子学生たちは、その場で気絶してしまった。胆の据わった人たちでさえ、恐怖で足がガクガクし、地面に崩れ落ちた。
多くの人が口を押さえ、うっかり吐いてしまわないようにしていた。
目の前の光景がこれほど血なまぐさく気持ち悪くても、彼らの目は杉本瑠璃から離れなかった!
いや!
正確に言えば、杉本瑠璃が手に持っている大きな皿だ!
皿は四角形で、半メートル四方、その中には手一本、足一本、人間の頭一つ、そして血まみれの内臓がいくつか入っていた!
とにかく見るからに悲惨で、医薬系の学生でない彼らはこのような光景を見たことがなく、その場でひどく驚いた。
彼らが紅葉学園で長く生活し、冷静さを学んでいたとしても、死体の一部を、それもこんなに生々しく目の当たりにすると、このような刺激に耐えられなかった。
そして杉本瑠璃は、そこに立ち、これらの切断された肢体を手に持ち、冷たい目で、手の中のものを少しも恐れていないようだった。