016 唯一無二

白川華怜は新しい転校生で、その目立つ容姿のせいで、現在、陽城中学校で最も話題の生徒となっている。

一度見たら忘れられない存在だ。

先ほど話していた女子生徒は、昼に二階で白川華怜を見かけ、その印象が強く残っていた。

今、中村優香がこれほど怒っている様子を見て、少し怖くなった。

「クラス委員長、大丈夫かな？」その女子生徒は8組の委員長を見た。

委員長も明らかに白川華怜という転校生のことを知っていた。彼は首を振り、分からないと示した。「見に行ってくる。あの新入生と関係があるかどうか分からないけど、見つかればいいけど、もし本当に何も分からないまま無くなったら、うちのクラス全員が大変なことになるかもしれない！」

彼は椅子を蹴って追いかけた。

後ろで、時戸綾音は目を輝かせ、追いかけながら意地悪な笑みを浮かべた。「絶対にあの転校生よ！」

15組。

昼休み、ほとんどの生徒が机に伏して昼寝をし、何人かは必死に勉強していた。

「バン！」

ドアが開け放たれ、机に伏して寝ていた多くの生徒が目を覚ました。

中村優香、時戸綾音、8組の委員長、そして8組の他の数人。

学校で彼らを知らない人はいない。

15組は完全に静まり返り、小声で話していた数人も黙り込み、ただ静かに彼らを見つめていた。

シーンと静まり返った。

8組の生徒たちは特進クラスと呼ばれ、それは彼らの傲慢な振る舞いが理由だった。他のクラスの生徒たちも彼らの態度に慣れていた。

中村優香は誰も見ず、クラス全体を一瞥しただけだった。彼女は白川華怜の姿が見えないことに気づき、冷たく尋ねた。「白川華怜はどこ？」

誰も話す勇気がなかった。

机に伏して仮眠を取っていた山田は、大きなドアを蹴る音で目を覚ました。彼は中村優香と8組の委員長を一瞥し、まっすぐ座り直して後ろに寄りかかった。「トイレに行ったよ。何か用？」

8組の生徒たちはよく山田とバスケをしていた。8組の委員長は山田が中村優香の機嫌を損ねることを恐れ、すぐに割り込んで彼を押さえ、小声で事情を説明した。

中村優香は山田を完全に無視し、「彼女の席はどこ？」と聞いた。

誰も答えなかったが、何人かは思わず白川華怜の席を見てしまった。