016唯一無二_3

彼は副校長とはいえ、中村家と田中家の前では戦々恐々としていた。

尋問の過程は一見簡単そうだった。

3分も経たないうちに、隣の事務室から警察官と白川華怜が出てきた。

二人が出てくると、全員の視線が彼らに向けられた。

奥田幸香は即座に立ち上がった。

目に問いかけの色を浮かべて。

「中村さん」警察官は中村優香の身分を事前に知らされており、丁寧に口を開いた。「お持ちの招待状を拝見させていただけますか?」

中村優香は眉をひそめた。

しかし、招待状を相手に渡した。

一般市民とは違い、警察官は長年陽城市の治安を維持してきたため、当然黒水通りと白虎オークションのことを知っていた。彼は赤い招待状に描かれた生き生きとした白虎を見て、慎重な様子を見せた。

彼は裏面をめくってみた。

白川華怜は招待状をよく見ていなかったが、この時になって裏面の小さな「白」の文字に気づき、落ち着いてポケットから木目調の簪を取り出し、ゆっくりと髪を結い直した。