019 ゴミ箱の問題

岩田良絵は手を振り、一時的に元気が出ない様子で「私たち二人は既に友達になってるから、グループを作るだけでいいわ」と言った。

空沢康利は学習グループを作った。

右側では。

中村優香のグループの4人が一緒に夜どこで食事をするか相談していた。

声は大きくなかったが、静かな講堂では非常に目立っていた。

岩田良絵は彼らのグループを羨ましそうに見ながら、小声で「彼らは平安苑で食事するのよ。ねえ、平安苑って知ってる?会員制なのよ」と言った。

空沢康利は頷いて、声を低くして「8組以外は、誰も行ったことないんじゃない?」と言った。

畑野景明と白川華怜の二人は何も言わなかった。

反応がなかった。

岩田良絵はその二人を見た。一人は無口で陰気な優等生、もう一人は85点の落ちこぼれ。この二人は家庭環境が普通そうで、おそらく平安苑なんて聞いたこともないだろう。

彼女は理解できたが、それでも一層憂鬱になった。

白川華怜は他人に気を取られず、スマートフォンを取り出してWeChatを開いた。

木村先生:【雨が降ってきたね】

白川華怜は窓の外を見上げると、確かに小雨が降っていた。

彼女は外の雨を見つめ、しばらく呆然としていた。

そして、ゆっくりと頭を下げ、木村浩にメッセージを送った。

白川華怜:【昨夜くださった問題を、クラスメイトに見せてもいいですか?】

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CRFS研究室で、木村浩はパソコンに表示されたデータを見ていた。

研究室は寒く、彼は黒いコートを着て、白い人差し指と中指でペンを挟み、プロジェクターに映された図を指しながら、ゆっくりと丁寧にメンバーに説明した:「これは以前のLIW検出器で検出されたエネルギー損失データです。赤、黄、緑は可能性のある単一ガンマ線バックグラウンドイベントで、WIWPはほとんど発見されていません...」

他のメンバーは真剣に彼の分析を聞いていた。

時々彼が質問を投げかけると、彼らはおおよそ答えることができた。

メンバーが急に手のかからない存在になり、木村浩は軽く頷いて席に着くと、眼鏡を外して「山田君、君の論文も木場院長に送っておいた。メールボックスを確認しておいてくれ」と言った。