ゴミ箱の練習問題_2

山田文雄は慌てて口を開いた。「みんなにICレコーダーを買ったんだ。もうすぐ届くから、叩かないで…………」

「山田の秀才、お前だけこっそり録音して皆を驚かせようとしたのか?!」

「……みんなも、も、顔は叩かないで、僕の顔を……痛っ!」

「……」

**

白川華怜は先生の言うことをよく聞く生徒で、先生が相互支援グループと言ったので、木村浩に尋ねに行った。

木村浩の許可を得た後、彼女は携帯を机の穴に戻し、木村浩から貰った問題を三部コピーして、グループの他の三人に配った。

前の席の畑野景明は彼女を一瞥し、手を伸ばして受け取った。

空沢康利は受け取って見てみると、驚いた。これまでこんなに整った字を見たことがなかったので、彼女に親指を立てて「字がとても綺麗だね」と言った。

岩田良絵も問題用紙を受け取り、「ありがとう。でも、これは何?」

「一つの問題よ」白川華怜は窓の外を見ながら、何かを考えているようだった。声を聞いて我に返り、ペンを片付けながら言った。「総合的な難しい問題で、誰かからもらったの。物理の勉強に役立つわ。暇なときに解いてみて。明日答えを持ってくるから」

「ああ、分かった。見てみるよ」空沢康利は問題を見つめた。磁場の問題だった。

しかし、扱う内容が多く、見ていると少し目が回りそうだった。

二十分見ても、あまり理解できなかった。

とりあえず本の間に挟んで、脇に置いた。

三十分はあっという間に過ぎたが、今夜は相互支援グループのせいで、多くの人がすぐには帰らなかった。

前の席で、畑野景明は先生が配った問題を脇に置き、ずっと白川華怜からもらった問題を研究していた。

白川華怜は人々が帰り始めるのを見て、バッグを持って講堂を出た。

畑野景明は荷物を片付けず、まだ白川華怜からもらった問題を研究していた。

右側で、中村優香は自分の荷物を片付けた。

「母が既に席を予約したわ」彼女は立ち上がり、他の数人に声をかけた。「私たち、先に行きましょう」

すぐに歓声が上がった。

他の相互支援グループは羨ましそうに彼らを見ていた。

岩田良絵はその場に伏せたまま動かず、中村優香たちが後ろのドアから出て行くまで、目を離さずに見つめていた。

「はぁ」岩田良絵は長いため息をついた。