山田文雄は慌てて口を開いた。「みんなにICレコーダーを買ったんだ。もうすぐ届くから、叩かないで…………」
「山田の秀才、お前だけこっそり録音して皆を驚かせようとしたのか?!」
「……みんなも、も、顔は叩かないで、僕の顔を……痛っ!」
「……」
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白川華怜は先生の言うことをよく聞く生徒で、先生が相互支援グループと言ったので、木村浩に尋ねに行った。
木村浩の許可を得た後、彼女は携帯を机の穴に戻し、木村浩から貰った問題を三部コピーして、グループの他の三人に配った。
前の席の畑野景明は彼女を一瞥し、手を伸ばして受け取った。
空沢康利は受け取って見てみると、驚いた。これまでこんなに整った字を見たことがなかったので、彼女に親指を立てて「字がとても綺麗だね」と言った。
岩田良絵も問題用紙を受け取り、「ありがとう。でも、これは何?」